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平成18(2006)年6月のコラム一覧へ戻る

深谷のレンガ工場

初出:関弁連だより「お国自慢」(埼玉県)
1997年6月号

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

今年(平成18年)6月25日、日本で最初のレンガ製造会社である日本煉瓦製造株式会社が今月までで廃業するとの新聞報道に接しました。当事務所は、かつて同会社の顧問事務所として関与していました。快活で話題豊富、スーツの胸ポケットから常にポケットチーフをのぞかせていた社長さんとのおつきあいを懐かしく思い出しました。

私が関弁連だよりに書いた記事を以下に再載します。


郷土出身者の自慢話となると、埼玉県人は分が悪い。土地柄かおっとりした人が多いように思うし、歴史上の「偉人」もそう多くはない。そんな数少ない埼玉県の生んだ「偉人」の一人、渋沢栄一の興した深谷のレンガ工場を訪れた。

改装なったJR高崎線深谷駅に降り立ち、振り返ると、駅舎からしてレンガ造り風である(実は防災の都合上タイルであるという。)。

駅からタクシーで10分くらいで工場に着く。

日本煉瓦製造株式会社は、明治20年に、渋沢栄一らによって深谷に創設された。日本最初の近代的機械成型によるレンガ工場である。欧米に追いつけ、追い越せ(?)と頑張っていた明治政府は、当時、官公庁の洋風化をも推し進めており、そこで使われるレンガを、供給した。当時のレンガ建造物としては、我々になじみのあるところでは、東京地裁高裁の先にある、先ごろ奇麗に修繕された、法務省のあのレンガ建築がある。他に東京駅、迎賓館などなど、小学校の社会科の時間に習った建物がずらずら並ぶ。

工場敷地内には、近代的な工場の傍らに、当時招聘されたドイツ技師の居宅が資料館となって残されている。また、当時のハイテクであったホフマン式輪窯のうち第6号が保存されている。

その後の日本の近代化は、製造業においては、経済摩擦を引き起こすほどに成長した。ほぼ同時期に導入された司法制度は、今、欧米に誇れる、注目されるような制度となったであろうか。

同社の旧煉瓦製造施設は、今年3月21日、文化財保護審議会によって国の重要文化財に指定するよう文部大臣に答申された。


■ 日本煉瓦資料館の概要 ■
開館時間 午前10時から午後4時
休館日 毎週月曜日(祝日の場合翌日)、
8月20日〜20日、12月10日〜1月20日
入場料 大人200円、学生(小・中・高・大学生)100円
所在地 埼玉県深谷市大字上敷免89 地図はこちら
交 通 R高崎線深谷駅から約4km
電 話 0485-71-0070

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