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日弁連会長への公開質問状

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

平成25年6月11日

公開質問状

日本弁護士連合会
山岸憲司会長殿

      菊地総合法律事務所
      弁護士 大塚嘉一

拝啓 会長におかれては、ますますご清祥のことと存じます。日ごろからの、我々会員に対するご指導に感謝申し上げます。

さて、日弁連公式ウェッブサイトの平成25年5月28日付け会長のブログを拝読いたしました。これに関連して、以下の二点について質問いたします。

第一、民暴事件に関連して、会長が、その解決のため、相手の暴力団組事務所等に一人で乗り込んだとの記載があります。暴力団の組事務所またはその指定する場所に単身で行ってはならないことは、民暴委員会では、新人委員に教える基本中の基本です。会長ご自身も、新人弁護士に勧められることではない 、民暴委員会等との協力のもと対処されたい旨を書いていらっしゃいますが、会長の「武勇伝」の方が、明らかに比重が大きく割かれています。もとより、基本を踏まえたうえで、事件の解決のために創意工夫をこらすことは許されることであります。しかしながら、なりたての弁護士に対しては、基本をまず、それとして教えるべきであると信じます。

第二、同ブログ中に、相手の暴力団組員個人を称揚するかのような文章があります。言うまでもなく、暴力団及びその構成員は、反社会的勢力であります。暴力団構成員の個人の資質等について、どのような感想を抱くのも、各人の自由でありますが、公職にある者が、公の場で、弁護士あるいは一般の市民から誤解を受けるような発言をすることは、これを差し控えるべきであると考えます。

以上の二点について、過日、当該ブログのコメント欄に記載のうえ送信しましたが、本日に至るもウェッブサイトに掲載されません 。よく見ると、他のブログ記事についても、一切、コメントが掲載されていません。当該ブログには、「なんでも話し合おうよ」、「皆 さんとお話したいことがたくさんあります」とあり、会長の発言とそれに対する意見、反論、感想等が当然に予定されているものと考えられるところ、それは妥当であると思料されます。そして、そのコメントが、それ自体違法である、または公序良俗に反するような場合を除き、掲載されるべきです。意見が異なるときは、さらに再反論すれば、よろしいだけのことです。そうして、テーマが弁証法的に発展するとすれば、それは素晴らしいことだと考えます。

そこで、当職は、当該ブログのコメント欄に上記の当職のコメントを掲載するか、ブログ自体を誤解のないように書き換えるかのいずれかの対処を求めます。

当職は、今年5月末日まで、埼玉弁護士会民事暴力介入委員会の委員長を務めておりました。同委員会の委員は全員、民暴事件に、文字通り命をかけ、体を張って解決に当たっております。会長の発言が、会員である民暴委員の身の安全の確保に資するものであること、委員の活動に対する精神的支援となるものであることを願っています。

なお、この質問状は、当職の個人の判断により行われるものであり、他のいかなる個人 、団体とも関係ないことを、念のため申し添えます。

末筆ながら、会長のご健康、ますますのご発展をご祈念申し上げます。

敬具

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