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平成25(2013)年11月のコラム一覧へ戻る

ゲーム違い?

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

1.先日、テレビで、ポケモンの作者の仕事風景を追った番組を見ました。

ポケモンをご存じない方のために、少し説明すると、ポケモンは、ポケットモンスターの略称です。ポケットに入れて持ち運びができるほどの小さくて可愛い怪獣たちです。

もともとは、ゲーム機の世界に登場しましたが、あっという間に、漫画や映画にもなりました。日本中の、いや世界中の、子供たちに、いや大人にまで広く愛されているキャラクターたちです。

年商何千億?と、すぐ考えてしまうのは、大人の悪い癖です。

2.弁護士の間では、表立って、ゲームにはまっていると公言する人は、あまりいません。しかし、実は、熱中しているという人は、結構いそうです。

私は、と言えば、ゲームではなく、ゲーム理論に興味関心があります。

ゲーム理論とは、人の意思決定が、どのようになされているかを、場合分けなどをしながら、考える学問の一分野です。

囚人のジレンマなどが、極初期の有名な一例です。囚人が二人いて、例えば一人がもう一人について犯罪をしたと言えば有罪で自分は無罪、していないと言えば無罪で自分が有罪というような場合、二人の囚人は、どう言えば有利か、などと考察します。

そんな子供の遊びのような、本当に遊戯のゲームのようなものから始まって、現在では、高等数学を使った非常に複雑な議論まで展開されています。

当初、経済学で主に研究され、その後、様々な社会科学の分野に広がっていきました。のみならず、進化生物学のような理系の分野にまで進出して、盛んに研究されています。

3.しかし、日本の学者が、ゲーム理論を使って真覚ましい成果を挙げた、という話を聞きません。

私が、疎いだけだと、信じたい。

4.先のポケモンの原作者の方は、ゲームの醍醐味は、自分でルールを作っていけるところだと、おっしゃっていました。

様々な社会のルールの本質を把握するのに、ゲーム理論は、きっと役立つはずです。その意味では、ゲームと相通ずるものがあるはずです。

既存のルールに従って、良い成績を挙げる人が優秀だと思われる国では、本当の秀才、天才は現れないのでしょうか。

ポケモンの原作者が、本当にうれしそうに仕事をしているシーンを見ると、日本は、そのような国ではないはずだが、と思うのですが、いかがでしょうか。

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