2012.02.14

大塚 嘉一

英検準1級合格

 実用英語技能検定準1級(2011年度第3回)に合格しました。

私の場合、弁護士業務で、日常的に英語を使うという環境にはありません。たまに、英文の契約書を作成したり、チェックしたりすることがある、という程度です。

なぜ、英検に興味を持ったかというと、最近の司法修習生やエクスターン実習生の履歴書を見ると、TOEIC何点という記載が多いことに気がついたことがきっかけです。TOEIC何点とあるけど、どの程度の英語力なのかなと思い、自分でも受けてみることにしたのです。私の学生のころは、実用英語のテストと言えば英検であり、TOEICはありませんでした。私自身も、大学2年生のときに英検2級に合格しています。両者を比較してみると、英検は読む、書く、聞く、話すが試されているのに対し、TOEICは読む、聞くだけであること、英検は社会事象を広くカバーしているのに対し、TOEICは主としてビジネスに特化していることが分かりました。そこで、英語力を総合的に判定したいと考えて、三十数年ぶりに、とりあえず英検を受けることとしました。

その昔、2級を取得したあとは、1級を目指して勉強を始めましたが、そのうち司法試験の勉強が忙しくなり、戦線離脱となりました。ただし、英字新聞や英語の雑誌などは読み続けていました。そこで、当時はなかった準1級から受けることにしました。

さて、実際に受けてみると、その結果は、リスニングが壊滅的にだめでした。何度か失敗して、これはいかんと本腰をいれて勉強を始めました。本を買い求め、根が凝り性なもので、いつかその数は数百冊となり、家に山積となり、家族から苦情を言われるほどとなりました。

その結論。英語は、発音が大事であること。個々の単語の発音よりも、単語や文章のストレス(音の強弱)、イントネーションなどが重要であることが分かりました。そして、ネイティブのように発音するためには、発音というよりも、そもそも発声が問題であることを発見しました。

発音ができるようになるに従い、リスニングが苦にならなくなりました。それまでは、CNNは、たまに知っている単語が聞こえるという程度でしたが、アウトライン程度は理解できるようになりました。のみならず、読むスピードも上がり、英作文も楽になったような気がします。

よく、日本人は英語の発音はほどほどにして、内容で勝負だという意見が聞かれますが、発音を極めることには、数多くの効能がある、というのが私の見解です。ネイティブのような発音を目指すのは、欧米にかぶれているだけだとの意見には、相手の理解しやすい言葉を追及するのは、かぶれているのでも何でもなく、礼儀であるし、当方の意思を伝える有効な手段であると考えています。

発音だけでなく、英語の勉強を通じて、日本語の理解も深まりました。福沢諭吉は、封建制と維新後の二つの時代を経験した自分自身を、一身にして二生を生きる、と言いました。英語を身につけ、日本語で生きる自分と英語を繰る自分とを行き来することは、それとは別に、一身にして二生を生きることになるのではないでしょうか。

今度は、今回のきっかけとなったTOEICも受けてみようと思います。昔の夢であった英検1級に挑戦するのは言うまでもありません。