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平成23(2011)年5月のコラム一覧へ戻る

高野隆監修「DVDで学ぶ裁判員裁判のための
法廷技術(基礎編)」を推す

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

弁護士の高野隆先生が監修なさった裁判員裁判のDVDが現代人文社から出ています。

弁護人による証人の尋問の方法などが、悪い例、良い例でもって具体的に示されています。新人弁護士にとっては勿論、ベテランの弁護士が自分の尋問方法を振り返ってみるためにも役立つのではないでしょうか。

高野隆弁護士は、元当事務所の代表弁護士。その後、早稲田大学ロースクールの教授となり、現在は刑事弁護を主として都内を拠点に全国で活躍中です。日弁連の研修、講義なども担当なさっています。

高野先生は、私のメンターのお一人。私が弁護士に成りたてのころから一応一人立ちできるまで、先生の一挙手一投足をじっと観察し勉強させていただきました。とくに先生の尋問技術には感動しました。私のもう一人のメンターである菊地博泰先生も、「高野先生の尋問は真綿で首を絞めるようだねえ」と目を細めていらしたことを思い出します。

反対尋問の基本・要点は、まず証人に自由に語らせ、その後に書証など客観的証拠を示して、その矛盾を衝くことにあります。うまくいったときの感激は、言葉には言い尽くせません。私も、反対尋問の奥深さに魅せられて、弁護士を止められずにいる人間の一人です。

私の新人時代は、先生の尋問を見ながら、芸事の技を盗むかのようにして覚えたものが、こうして映像、解説付きで何度でも見られるのですから、いい時代になったものです。

本DVDは、弁護士向けでしょうが、別の利用方法もあるのではないでしょうか。裁判員に選ばれた一般の人が、弁護人の「技」を鑑賞するためのガイドブックともなるでしょう。能でいう「見せ場」のようなものです。

本DVDを押さえたうえで、自分の「技」を極めていくのは、弁護士の一生の仕事になりそうです。

「(基礎編)」となっているので、応用編、実践編が予定されているのでしょう。今から楽しみです。

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