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弁護士が執筆するコラム - 埼玉県さいたま市の弁護士事務所- 菊地総合法律事務所は、相続、不動産、同族会社の案件や、株式買取請求などの非公開会社の案件を多数解決しています。その他、交通事故や貸金などの一般民事事件、離婚、財産分与などの家事事件、少年・刑事事件、そして企業法務や自治体の法務にも経験をつんでおります。


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平成27(2015)年5月のコラム一覧へ戻る

特別支配株主の株式売渡請求

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

1.特別支配株主の株式売渡請求とは、特別支配株主(議決権10分の9以上を直接・間接に保有する株主)が、その一方的な請求によって強制的に他の株主の株式を買い取ることを認める制度です。平成26年の会社法改正で認められ、今年(平成27年)5月1日から施行されています。

2.これは、少数株主を解消することが目的です。従前、主として税金についての考慮から全部取得条項付種類株式の制度が用いられていたところ、これだと株主総会の特別決議が必要なので、これを不要としてコストをさげたものです。

全部取得条項付種類株式の制度は、会社が株式を取得するものであるのに対し、特別支配株主の株式売渡請求の制度では、特別支配株主がこれを取得するものであるのが、重要な違いです。

3.少数株主がいると、株主代表訴訟を提起されるなど、経営陣や支配株主などにとっては、不安要素、不安定要素でした。

少数株主の解消(いわゆる「キャッシュアウト」)などが望まれる所以です。

今回の会社法改正では、主として同族会社(非公開会社、中小企業)の支配権をめぐる争いにおいて、経営者側、支配株主側に、一つの有力な武器が認められた、と言えそうです。

譲渡制限株式の買取請求では、譲渡制限株式を持つ株主が、会社に対してその株式を買い取ることを求める形になるので、争いの局面が異なります。

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