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岩井克人「不均衡動学の理論」
1.平成30年3月3日付け日経新聞(朝刊)によると、岩井克人が、「不均衡動学の理論」を現代化する論文を執筆中である、という。
同書は、主流派の経済学には影響を与えなかったが、幾人かの経済学者は、これからインスピレーションを得たようである。
岩井は、その後、貨幣の本質論などを論じていたが、貨幣は、皆が貨幣と思うから貨幣なのである、という以上の洞察を示すことはなかった。そこは、スタートなのである。そこからの発展が重要なのである。
意欲的に取り組んでいるようなので、どのような本ができるか、楽しみである。同紙によれば、岩井は、今回の改訂(?)において、専門分野や数学の本しか参照していない、ということなので、それが心配である。もっと学際的な展開を期待したい。
いずれにしろ、「不均衡動学の理論」の読者は、新著を、括目して待て。