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令和元(2019)年 6月のコラム一覧へ戻る
藤原正彦
1.藤原正彦のエッセイが、週刊新潮で読めなくなって困ったなと思っていたら、今年2019(令和元)年6月号から、月刊文藝春秋の巻頭を飾るようになり、ほっとした。精神安定剤の役目をしていることに気づいた。
氏の父親は、「強力伝」の新田次郎。母親は、「流れる星は生きている」の藤原てい。私は、氏の「若き数学者のアメリカ」以来のファンである。美人の奥さんを従えた写真が、たまに出る。
2.そのユーモアは、一種の自虐ネタであるのだが、土屋賢二ほど、くどくはない。イギリス仕込みの中庸の精神故か。
3.氏の本籍地は、数学だ。だが、同時に、保守派の論客として活躍している。数学の普遍と、愛国者としての自分の主張の個別とは、氏の中で、どう同居し、折り合っているのだろうか。
氏が、それを明らかにする本を書いたなら、現在、私が構想中の、進化生物学をもとにした社会科学の一般理論の本と、内容的に重なる部分がありそうだ。
負けられない。