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平成25(2013)年6月のコラム一覧へ戻る

民暴委員長退任の辞

執筆 : 代表弁護士 大塚嘉一

1.この2年間、埼玉弁護士会民事介入暴力対策委員会の委員長を務めてまいりましたが、今月(平成25年5月)末日をもって、退任となります。したがって、今日が、私が委員長である最後の委員会となります。そこで、委員会の終わりに当たって、手短に、要領よく、2、3時間ばかり、挨拶を申し上げたいと思います。

まず最初に、これは、私の民暴委員会に対する貢献として最大のものであり、異論はあろうはずがなく、私も自負するところでありますが、民暴委員会にダジャレ、おやじギャグの文化を定着させたことであります。言うまでもなく、語呂合わせというのは、江戸時代にも広く行われ、庶民を含めた国民の教養、素養となったものです。英語にも、punというものがあります。

私の、するどい、勘所をえたギャグのおかげで、委員会及び委員会活動が、どれほどはかどったか知れません。埼玉弁護士会の民暴委員会が存続する限り、語りつがれるべき偉業と言うべきです。

2.第二に、記憶に残る事項として、暴排条例があります。

平成23年8月1日、埼玉と沖縄で、暴力団排除条例が施行され、全国で暴排条例が施行されたこととなりました。

暴排条例は、市民に対して責任を課す点で、従前の法令とは一線を画するものですが、反社会的勢力に対抗するには、画期的な手段と言えます。

埼玉弁護士会民事介入暴力対策委員会は、関係機関と協力し、その施行及び実施について、活動をして参りました。

もとより、今後も、運用や、条例そのものの検討を通じて、よりよい体制を築いていくべきものと考えています。

その実施に当たっては、委員の皆様の多大のご協力があったことに、冗談ぬきで、感謝申し上げます。

3.第三に、委員会活動をもとに、書籍「仮処分を活用した反社会的勢力対応の実務と書式」を、平成24年3月に出版できたことです。

これは、ご承知のとおり、平成22年11月に行われた民事介入暴力対策埼玉委員会で、我が埼玉弁護士会民暴委員会が発表した内容を、広く一般の方にも知ってもらうべく、出版したものです。

幸い、広く支持され、埼玉弁護士会に多額の印税収入をもたらしているそうです。こんなことなら、著作者を埼玉弁護士会とせず、民暴委員会として、委員会が印税を一占めしておくのだったと反省しております。

いずれ、改訂版を出す予定を聞いております。その際は、暴排条例の部分を充実させたいものと思っております。

4.第四に、各種協議会での講師派遣や、各具体的事件の解決等々の委員会活動に、委員の皆様の、献身的なご協力があったことは、決して忘れることができません。

民暴委員会は、言うまでもなく、市民間の法律問題に、暴力を背景に、不当な介入をする勢力と戦う委員会です。

世界には、国家そのものが法的な正当性を有するか否か疑問であるような国もあり、外国資本に収益を収奪されているような国もあり、国民が政府のプロパガンダを信じこまされているような国もあります。人間の幸福を妨げているのは、個々の具体的な暴力だけではありません。国家的暴力、貨幣の暴力、言葉の暴力も問題です。

埼玉弁護士会の民暴委員会としては、全ての暴力に対応することは不可能ですが、法の支配を実現するという観点から、今後も、民事事件に介入する暴力を排除する活動を、積極的に続けていくべきものと考えております。今後は私もまた一兵卒として活動したいと思っております。

5.まだまた、私の卓見を聞きたいという皆様の熱意には、心打たれるものがあるのですが、そろそろ時間ですので、最後に、締めの挨拶をします。

これで、オシメー。

ありがとうございました。

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